お気に入りの傘を長く愛用するためには、日々のお手入れが欠かせません。濡れたまま放置したり、間違った扱いをしたりすると、カビやサビ、撥水効果の低下といったトラブルを引き起こす原因になります。この記事では、傘の汚れを落とす方法や撥水効果を復活させるコツ、そして長く使うためのポイントを詳しく解説します。
傘の手入れが大切な理由と基本のケア方法
雨の日の必需品である傘は、使用後の扱い方次第で寿命が大きく変わります。ここでは、傘の手入れが大切な理由と、基本となる正しいケア方法を紹介します。
カビが発生する
濡れた状態で放置しておくと、布地に雑菌が繁殖し、嫌な臭いのもとになります。さらに放置期間が長くなるとカビが発生し、黒ずみや斑点が目立つようになってしまいます。見た目が悪いだけでなく、生地そのものが傷んでしまい、再使用がむずかしくなるケースも少なくありません。
撥水効果が落ちる
傘の生地にはほとんどの場合、雨を弾くための撥水加工が施されています。しかし、この撥水効果は永続的なものではなく、水分を含んだままの状態が続くと次第に弱まります。撥水力が落ちると生地が傷みやすくなるので注意が必要です。
水分を残さない
傘のお手入れの基本は「水を切る」ことです。使用後、周囲に人がいない場所で傘を軽く開閉して水滴を落としましょう。石突で地面をたたいたり、傘を勢いよく回したりする行為は、骨やジョイント部分に負担をかけるので破損の原因になります。その後、金属部分をタオルでやさしく拭き取ると錆も予防できます。
陰干し
水分を落とした後は、陰干しで保管しましょう。濡れた傘をそのままたたむと、内部に湿気がこもり、カビやサビの原因になります。直射日光や蛍光灯のもとで放置すると生地を傷める原因となるため避けましょう。
汚れやシミをしっかり落とす!傘の掃除・洗い方
傘は雨や日差しから私たちを守ってくれる大切なアイテムですが、使用しているうちに泥はねやホコリ、排気ガスなどで汚れていきます。ここでは、雨傘・日傘それぞれに適した洗い方と注意点を紹介します。
雨傘の洗い方
基本の洗浄には、中性洗剤を使うのがポイントです。洗面器などに水またはぬるま湯を張り、数滴の中性洗剤を加えてよく混ぜ、薄めた洗剤液を作ります。原液のまま使用すると濃度が強すぎて、生地にシミができたり、コーティングが傷んだりするおそれがあります。
洗剤液を作ったら、スポンジや柔らかいタオルに含ませ、汚れた部分を軽くたたくようにして汚れを落としましょう。洗浄後は、水でしっかり洗い流します。その後はタオルで軽く水気を拭き取り、風通しのよい場所で陰干し。
直射日光の下で干すと紫外線によって生地が傷み、色褪せや撥水効果の低下を招くため、避けましょう。
シミの落とし方
もしシミができてしまった場合は、ガーゼに薄めた洗剤を含ませて、白い布を裏から当て、軽く叩くようにして汚れを取りましょう。落ちにくい場合は、酸素系漂白剤を試すのもおすすめです。金属部分のサビには、お酢を含ませた布で拭くと効果的です。ナイロンやビニール傘の場合は、メラミンスポンジでやさしくこすれば、表面の汚れを落としやすくなります。
日傘の洗い方
日傘は、素材や加工の種類によって扱い方が異なります。とくにレースやシルクなどの繊細な素材は、水洗いを避ける方が無難です。まずは、傘の素材と表面加工を確認し、それに合った方法を選びましょう。基本的に丸洗いはしません。
汚れが気になる部分を軽くブラシ掛けしたあとにぬるま湯で薄めた中性洗剤を柔らかい布に含ませ、その部分の表面を軽く押さえるように拭き取るのがおすすめです。洗浄後はタオルで水分をやさしく吸い取り、陰干しで完全に乾かします。
一方、防水加工の日傘は、さらに注意が必要です。防水層を傷つけないよう、柔らかい布やスポンジで軽くなでるように洗いましょう。汚れを落とした後は、洗剤が残らないよう十分にすすいでから乾燥させます。
直射日光に当てると防水効果が低下するため、風通しのよい日陰で自然乾燥させるのが最適です。また、UV加工の日傘は、使用後は乾いた布でホコリを払う程度で十分ですが、汚れが目立つときは中性洗剤を薄めたぬるま湯で軽く拭き取りましょう。
傘の撥水効果を復活&長持ちさせるコツ
お気に入りの傘を長く使うためには、日常の扱い方やお手入れがとても大切です。傘は基本的に雨を防ぐ用具であるため、「撥水効果」を維持することが欠かせません。ここでは、傘の撥水力を復活させ、長持ちさせるためのポイントを紹介します。
直射日光を避ける
洗濯物と同じように直射日光下で干すのは避けてください。直射日光や蛍光灯の光に長時間当てると、生地の色あせや劣化を早め、撥水性能も落ちてしまいます。
ドライヤーを使う
撥水効果を復活させる方法でおすすめなのが、ドライヤーの温風です。多くの傘の布地には、フッ素樹脂による撥水加工が施されていますが、長年の使用でこのフッ素樹脂が倒れてしまい、撥水効果が減少します。そんなときは、ドライヤーを使って熱を与えることで、フッ素分子が再び立ち上がり、撥水効果がよみがえります。
傘を完全に乾かした状態にしてから、広げたまま2〜5cmほど離れた距離でドライヤーの温風を当てましょう。端から中心へ、片道5秒ほどのスピードで温風を送るのがおすすめです。ただし、ビニール傘にはこの方法は使えません。熱によって変形してしまうおそれがあるため使用しないでください。